犬が夜泣きする理由とは?子犬~老犬の夜泣きの原因・対処法を紹介!
犬が急に夜泣きをするようになった
犬は人のように自分の気持ちを言葉で表現できない動物です。
そのため、愛犬が急に夜泣きしても、なにが原因で吠えているのかわかりませんよね。
ここからは、成犬が夜泣きする原因と対処法について見ていきます。
成犬が夜泣きする原因
夜泣きは犬にとって感情表現なので、なにかしらを要求しているときに取る行動です。
しつけのためと無視したくなりますが、成犬や老犬に対して無視しても効果に期待できません。
まずは愛犬が要求していることを見つけ出していく必要があります。
成犬が夜泣きする原因として、下記のようなことが挙げられます。
発情期
オス犬は発情期のメス犬のフェロモンに反応して夜泣きすることがあります。
これは本能的に自分の存在をアピールするための行動なので、しつけで大人しくさせるのは難しいでしょう。
また、犬は嗅覚が優れているため、メス犬が遠くにいても反応してしまうこともあるようです。
ストレス
日頃から遊びが足りていないと、ストレスが溜まって夜泣きしてしまうことがあります。
また、散歩をさせないで放置してしまうと、運動不足になりストレスが溜まってしまうので注意が必要です。
成犬が夜泣きする場合の対処法
犬が夜泣きしてしまうときには、下記のような方法で対処すると良いでしょう。
去勢手術
去勢手術をすることで、メス犬に興味がなくなり、興奮しにくくなります。
また、去勢をすると問題行動を起こしにくくなったり、生殖器に関する病気の予防ができるというメリットがあります。
去勢手術は犬の状態によって手術の可否があるので、獣医さんに手術について相談しましょう。
散歩の時間を作る
日頃の仕事に追われて、愛犬との散歩を疎かにしていませんか?
犬も人と同様に、運動をしなかったり、人との関わりを持たないとストレスでおかしくなってしまいます。
雨の日は仕方がないかもしれませんが、できるかぎり1日に1~2回、30分ほどの散歩の時間を設けてストレスを解消してあげましょう。
どうしてもいけないときには、行ける時に長めの散歩をしてあげると良いでしょう。
子犬が夜泣きする原因
ここからは、子犬が夜泣きする原因と対処法を詳しく見ていきましょう。
子犬が夜泣きする最も大きな原因
子犬が夜泣きする最も大きな原因は『不安』だと言われています。
犬は子犬の時に母親や兄弟と一緒に暮らします。
また、ペットショップでも飼育係が家族の代わりとなって、子犬のお世話をします。
そのため、家に来たばかりの子犬は、見知らぬ環境に置かれて心細くなり、大きなストレスを感じてしまいます。
そのストレスを紛らわせるために、夜泣きで不安な気持ちを表現することがあるのです。
突然吠えたとしても「これが犬の表現方法だ」と大目に見てあげましょう。
子犬が夜泣きする場合の対処法
夜泣きしてしまう子犬にしてあげられることとして、下記のようなことが挙げられます。
一緒に寝てあげる
新しい環境に慣れるまで、寂しさを感じてしまうのは当たり前です。
寝室にハウスを置いて一緒に寝てあげたり、寝室に置けない場合は飼い主さんがリビングなどで寝てあげると良いでしょう。
家に来てから何日間かは寂しさが続くので、不安を和らげるような対策は継続的に取るようにしましょう。
▼犬と一緒に寝ることについての記事はこちら!
ハウスに慣れさせる
ひとりぼっちでハウスに閉じ込められると、寂しさや不安を感じてしまいます。
そのため、まずは内部の温度やタオルの素材などを確認し、ハウスが落ち着ける寝床なのかを見直しましょう。
ハウスに良いイメージを持たせるために、おもちゃや長持ちするおやつを置いてあげると良いでしょう。
構いすぎに注意
子犬が夜泣きしたときに、ハウスの外に出したり、おやつをあげたりしてしまうと、「鳴けば構ってくれる」「鳴けば良いことがある」と学習してしまいます。
また、構いすぎてしまうと、逆にストレスを感じてしまったり、愛犬が飼い主さんに依存する『分離不安症』になってしまいます。
子犬が大人しくしていた時にだけおやつをあげて、「大人しくしていればいいことがある」と学習させましょう。
▼犬の分離不安症についての記事はこちら!
老犬が夜泣きする原因
老犬が夜泣きする原因として、下記のようなことが考えられます。
- 認知症
- 不安や甘え
- 空腹
- 排泄にまつわるもの
- 寝床の不快感
ここからは、老犬が夜泣きする原因と対策について詳しく見ていきましょう。
認知症による夜泣き
犬も人間と同じように高齢化が進んでいることによって、認知症になるケースも増えてきています。
認知症は柴犬に多いと言われていますが、どのような犬種にも見られる症状です。
認知症の症状
犬の認知症の具体的な症状は以下の通りです。
- いつも通る道で迷子になる
- 飼い主を認識できなくなる
- 意味もなくグルグル歩き回るなど落ち着きがない
- 狭い場所に入って、後ずさりできず吠える
- 不安や寂しさから吠える
- 昼夜逆転してしまう
- トイレの失敗が続く など
認知症になってしまうと、場所や人に対する認識能力が落ちて、正常な判断ができなくなってしまうようです。
昼間は起こすようにする
認知症で夜泣きをしてしまうときは、昼夜逆転させないためにも、昼間はなるべく起こすようにしましょう。
日中に起きていてもらえば、夜にぐっすり寝てもらえる可能性が高まります。
声をかけたり、マッサージをしてできるだけ起きていてもらうようにしましょう。
また、適度に散歩させたり、日光浴によって体内時計を調節することによって、夜中に寝てくれる効果が期待できます。
老犬は感覚機能、身体機能が低下しているため、昼間の暑い時間の散歩は避けたり、こまめに水分補給させるなど無理をさせないように十分注意しましょう。
▼老犬の散歩についての記事はこちら!
動物病院へ連れていく
睡眠薬や安定剤を使用することで夜泣きをやめさせる方法もあるので、獣医さんに相談してみましょう。
動物病院に連れていく際には、夜鳴きしていたりやグルグルと徘徊している様子を動画に撮影しておくと良いでしょう。
また、認知症は早期発見し、治療することができれば、進行の抑制に繋がります。
少しでも「認知症かも?」と思ったら動物病院へ連れていくことをおすすめします。
不安や甘えによる夜泣き
老犬になると、視覚や聴覚が衰えてくるので、周りの環境を把握できずに不安になってしまうことがあります。
夜泣きして寝ないのは、不安や心配の表れです。
飼い主に助けを求めていたり、構って欲しいという気持ちを表していたりするようです。
安心させてあげる
飼い主さんの声が聞こえるところなら、安心して吠えなくなることがあります。
そのため、愛犬が不安を感じないように、寝床や普段の居場所を飼い主さんのそばに移動してあげると良いでしょう。
空腹による夜泣き
晩御飯の時間が早いと、明け方にお腹が空いて、食べものが欲しいことを知らせようとして吠えることがあります。
寝る前にご飯を食べさせる
明け方に空腹で吠えてしまうときは、一日の食事量は変えずに回数だけを増やして、飼い主さんが寝る前にご飯を食べさせてあげましょう。
排泄による夜泣き
老犬になると膀胱の収縮力が弱まり、腎機能が低下するため、頻繁にトイレへ行くようになります。
また、足腰の筋肉が衰えているため我慢することができず、おもらしをしてしまうこともあります。
犬は綺麗好きのため、おもらしの不快感や排泄をコントロールできないストレスから夜泣きすることがあるようです。
オムツやマナーベルトを使用する
おもらしして寝床を汚さないように、寝る前に『オムツ』や『マナーベルト』をつけてあげましょう。
また、寝る前にはトイレを確認し清潔にしてあげましょう。
マナーベルトは、オムツのような役割で少量のおしっこに対応しています。
大量におしっこする場合は『介護用のオムツ』を使用しましょう。
▼老犬のトイレについての記事はこちら!
寝床の不快感
老犬になると、寒さに弱くなります。
寝床に風が当たっていたり、寝床が湿っていたりすると、不快感から夜泣きすることもあるようです。
寝床の位置を変える
愛犬のベッドが外気を感じる窓際や、隙間風の入る場所などにあるときは、温かい場所に移動してあげましょう。
飼い主さんの寝室に移動してあげれば、安心して寝ることができるでしょう。
犬の夜泣き対策グッズ
犬の夜泣きを放置すると、近所迷惑に繋がる恐れがあるので対策が必要です。
ここからは、夜泣き対策に役立つ道具について解説していきます。
代表的な犬の夜泣き対策グッズは以下の通りです。
- マスク
- 超音波の吠え防止装置
- サプリ
マスク
犬の口を抑える形の『マスク』を装着すれば、口を大きく開くのが難しくなります。
結果として、夜泣きを含む無駄吠えや、拾い食いを防ぐことができます。
最近ではマスクの強さを調節できるものや、シリコン素材で着け心地の良いものなど様々な種類が発売されています。
超音波の吠え防止装置
超音波の吠え防止装置も、夜泣き対策には効果的だと言われています。
超音波の吠え防止装置は、吠えたことを感知して、犬にとって嫌な音を発するものです。
嫌な音を発することで、「吠えたら嫌なことがある」と覚えさせることができます。
電気ショックでおとなしくさせるものではないので、愛犬が痛みを感じることはありません。
首輪タイプや据え置きタイプがあり、音の大きさを調節できるタイプもあるようです。
サプリ
犬の夜泣きを軽減、もしくは改善するサプリもあります。
このようなサプリには、吠えてしまう原因であるストレスを軽減したり、リラックスさせる効果のある成分が含まれています。
認知症の予防にも役立つ『DHA(ドコサヘキサエン酸)』や『EPA(エイコサペンタエン酸)』を含有しているサプリもあります。
犬用防音グッズ
いくら対策をしても、愛犬が鳴くことを完全にやめさせるのは難しいでしょう。
そのため、近所迷惑を避けるには防音対策が重要です。
効果的に防音対策をするためには、以下のようなグッズがおすすめです。
- 防音シートや防音マット
- 防音ケージカバー
- 防音カーテン
ここからは、これらのグッズを使った防音対策について見ていきましょう。
防音シートや防音マット
『防音シート』は防音機能のあるシートで、『防音マット』は床に敷くタイプのマットです。
部屋の壁に防音シートを貼り付け、床に防音マットを敷くことで、ある程度の防音効果が得られるでしょう。
『防音壁』にした方が防音効果は高いですが、防音シートや防音マットの方が費用が安く済むのでおすすめです。
防音ケージカバー
『防音ケージカバー』は、愛犬を入れておくケージを覆う、防音機能が付いたカバーです。
防音ケージカバーには、防水機能が付いていて屋外で使用できるものや、耐久性の高い素材を使用しているものなど様々あります。
また、防音素材でできたケージもあるので購入してみても良いでしょう。
防音カーテン
『防音カーテン』は一般的なカーテンよりも重みと厚みのあるカーテンです。
普段のカーテンを防音カーテンに変えることで、簡単に防音対策することができます。
防音カーテンは、下記のような工夫をすると、効果をさらに高めることができます。
- 隙間ができないように、カーテンは長めのものにする
- カーテンボックスを設置する
- カーテンにひだを作らないようにする
- カーテンを二重に用意する
ご近所には声をかける
愛犬の鳴き声などの騒音は、手紙や張り紙でクレームが来るだけでなく、警察を呼ばれるなど大きなトラブルに発展してしまうケースもあります。
近所の方に迷惑をかけないための対策として、これまでに紹介した夜泣き対策グッズや、防音グッズを利用することは非常に効果的です。
しかし、これらの対策を行うだけでなく、トラブルを避けるためには近所の方にご挨拶することも重要なポイントとなります。
あらかじめ近所の方に事情を説明しておけば、大きなトラブルは起こりにくくなるでしょう。
「なかなか声がかけられない…」なんてことにならないためにも、日ごろからコミュニケーションを取っておくことが大切です。